令和6年警察・商工労働委員会(三好委員)雇用労働について

  • ◯質疑(三好委員) 先月キャリーオーバーしたものを質問しますので、よろしくお願いします。
     雇用労働について何点かお聞きします。
     先月質問したかった内容は、この10月1日から社会保険、雇用保険が改正されることによって広島県の労働力にいろいろな影響が出てくると思っているので、それに対してどう考えるのかお聞きしたいと思っていました。
     まず、その前段で、毎月の統計調査を見ていくと、ここ数年で各業種の労働力がどんどん減っています。これは本当に危機感をもって見ていますが、その中で唯一、中小企業のパートタイムの方々の項目は上がっています。ここ5~6年ずっと上がり続けていて、この7月の統計も昨年ベースで7%上がっている状況です。これは何かを示していると思いますけれども、まず、こういう状況は何が原因なのか。この人手不足、労働力不足の中で、こういう状況が起きているのはどうしてなのか、どう考えるのか、まず教えてください。
  • 38:◯答弁(雇用労働政策課長) 委員御指摘のとおり、求職者の中でもパートタイムの方の求職者については、広島労働局が公表しているデータによると、最近のパートタイムの有効求職者数について、前年比増加傾向が続いている状況があります。こうした背景には、高齢者層における就業意欲の増加や育児等をしながら働きたい方の多様な働き方、雇用形態へのニーズ、また賃金等様々な理由があり、パートタイムの就業先を探している方が増えていると考えています。
     こういった求職者の動向は、引き続きハローワークの状況について労働局と綿密に連携しながら、情報の収集に努めていきたいと考えています。
  • 39:◯質疑(三好委員) 今、考えているということですが、広島県としてはこういう原因でこうなっていると言い切ってもらいたいです。先ほどいろいろな企業への調査の結果も公表されましたけれども、そこでも人手不足という結果が出ているわけですから、アンケートの聞き方も少し工夫していただいて、一体何が起きているのかを明らかにしてほしいです。人手不足で、労働力を確保しないといけない中で、パートタイマーが増えている。食い止めるではなくて増えているわけですから、その辺の原因は、おっしゃったようなこともあると思いますが、ほかに何かあるかもしれませんのでしっかり調べて今後に結びつけていただきたいと思います。
     そんな中で、まず1点目は、この10月から社会保険の適用の拡大が行われました。これまでは、週40時間が所定労働時間の企業でしたら30時間働くと社会保険に入らないといけなかったわけですが、51人以上の企業を対象に20時間以上働くと社会保険に入らないといけなくなります。
     20時間というと1日4時間のパートタイマーの方々、そして月の給料が8万8,000円を超える方々という条件もありますが、これも最低賃金の少し上ぐらいで、かなりのボリュームゾーンがあると思っています。ざっと考えたら、恐らく県内の6~7人に1人ぐらいがこういう層に当たってくると思っており、これは決して無視できない方々がここに当たります。
     社会保険に入るような働き方をするのか、しないのか。実は、今、この10月から悩まれている最中です。本来だったらここに向けてもっと早くからいろいろなことをしていただきたかったのですが、この日を迎えました。
     私の感覚では、8万8,000円をもらっている方が社会保険に入ると手取りが7万円、場合によっては7万円を切って2割ぐらい減ります。こういう状況の中で、やはり保険料が高いと、何で社会保険に入らないといけないのかと考え、パートタイムにしよう、時間を減らそう、扶養でい続けようという方々も多くいるように思います。中には、どうせ働くのだったらフルタイムで働けるようにしようと、会社と従業員がやり取りをしている最中だと思います。
     その中で、これがいいという施策はないですが、社会保険に入ることのメリットがしっかり伝わることが大切だと思います。県のいろいろなサイトを見てもなかなかそういったものが発信されているように思えないですが、こういったところについていろいろな方が情報を取りに来ているので、今このときに社会保険に入るメリットをしっかり伝えて、どういう働き方でも自由ですではなく、しっかり正社員で働きましょうという誘導をしていくべきだと思います。
     そこで、どんなことを発信したらいいのか、今後どんなことをやっていくのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
  • 40:◯答弁(雇用労働政策課長) 委員御指摘のとおり、令和6年10月より社会保険の適用が企業規模51人以上に拡大されました。また、社会保険加入により働く方の保険料の負担も発生します。やはり従業員にとって受け取れる老後の年金の増加及び障害年金や遺族年金の充実、医療の保障が手厚くなる等のメリットをしっかり労働者に発信していく必要があると考えています。
     こうしたことから、今、広島県のホームページでも制度については掲載していますが、国においても分かりやすく発信するための社会保険の適用拡大の特設サイトを設けており、分かりやすく解説するショート動画や年金額、保険料のシミュレーションのページなども掲載されていますので、県でもリンクを張るなど、しっかり発信したいと思っています。
     やはり女性や高齢者等、多様な人材の就業意欲の向上、労働参画が進んでいますが、併せて働くことへの価値観の多様化、ライフサイクルへのニーズも多様化している中で、働く方が年収の壁を意識せず働き方を選択することができるためには、社会保険のメリットとともに、社会保険制度の年収の壁そのものの抜本的な見直しを進められるよう、引き続き県としても国にしっかり要望してまいります。
  • 41:◯要望・質疑(三好委員) よろしくお願いします。先ほど言われたように、いろいろな制度を発信しても、小難しいことをなかなかみんな読みません。今、いろいろなサイトを見るとキャラクターが出て様々な説明会がありますと説明していて、いいと思いますが、一番分かりやすくしてほしいところを発信していただきたいと思います。先ほど言われたように、老齢年金だけではなく障害年金、女性だと産前産後の出産手当金、病気になればちゃんと休業手当が出ると、こうやって守られます。
     この保険を民間保険で賄おうと思えば1万2,000円では絶対無理で、かなりお得です。例えば漫画を使うとか、ケーススタディーにより動画を配信するとか。今、いろいろな方が情報を取りに行くとき、パソコンで検索すると広島県のロゴが出て、そういうものが発信してあるというぐらいきちんとしておかないと、広島県の雇用を守っているとはなかなか思えないので、本来だったら半年ぐらい前から取り組んでおくべきだったと思います。もうこの時期になりましたが、ぜひともそうやってそれぞれの選択をするのではなくて、正規社員をどんどん増やしていくという強い思いを持って取り組んでいいと思うので、そういうことをしていただきたいと思います。
     もう一つは、今度は労働保険、雇用保険が変わってきます。これはそう大したことはないですが、この10月からは、会社を辞めて訓練する人たちの訓練給付補助金が7割から8割になります。来年4月からは自己都合退職で辞めた人たちは、失業手当をもらうまでに2か月間の給付制限がありますが、これが1か月に引き下がり、期間が短くなります。もっと言うと、訓練することになると、その給付制限さえなくなり、すぐお金をもらえます。この会社に勤めようか、辞めようかと思っている人たちからすると、辞めてすぐお金をもらいながら勉強する環境が整ってくる。さらに、会社に勤めながら新しい技術や技能を身につけたりするために、今までなら学校へ行っていろいろな勉強をする際、会社を休んだら欠勤扱いで給料は出なかったですが、来年10月になると、雇用保険から業務手当が出るようになりますから、会社にいながら次の準備ができるということで、ここだけ聞くと国はどんどんリスキリングして、転職あり、業種間の労働移動ありで、どんどんやってくれというように見えます。
     これは、私自身はいかがなものかと思っています。特にものづくり県と言われている広島県において、建設業や製造業の人手不足が非常に大変という中でこういうことが進んでいくと、IT関係やサービス関係に人が流れていくことを非常に心配しています。
     今、担当課ではリスキリングの事業もしていますけれども、恐らくその前提は今の企業や業種にとどまってもらう制度設計だと思いますが、現場ではそうはなりません。製造業とかは厳しくなる1年になると思いますが、このようなところも課題意識を持って、県自らが何かしていかないといけないと思っていますが、どう取り組むのか、認識をお聞かせください。
  • 42:◯答弁(人的資本経営促進課長) 委員御指摘のとおり、このたびの雇用保険制度の改正により、転職に向けての労働者の心理的なハードルが下がるとされ、転職が増えていくのではないかと考えています。
     私どもとしては、これも御指摘いただきましたとおり、やはりリスキル、身につけられたものはぜひ自社に残って活用していただきたいというスタンスは変わりません。ですので、こういった流動化が進んでいく中でもいかに労働者にその会社に残ってもらい、会社で今まで以上に活躍していただくか、会社の支援をしていくことが必要であると考えています。
     そうした観点から、今年度リスキリングもありますが、もう少し大きな意味合いで、人的資本経営の促進ということで、今まさに人的資本経営、人的資本情報の開示を少し掘り下げています。これは、要は会社として人をいかに大切にしているか、人にいかに投資して自社を伸ばしていくかをしっかりと社内の方、社外の方に見える形にすることで、労働者の方々にしっかり自社に勤めてもらう、またほかからも来ていただけるようにするものです。まずしていることを見える形にすることは非常に重要で、現在、人的資本情報の開示のための研究会に企業にも来ていただいています。
     また、開示するのはなかなか大変です。非常に手間がかかりますし、一体どういったものを開示すればよいのか、お悩みの企業もいますので、開示する指標の標準化や実際に開示に向けたプロセス、またその数値をつくるに当たっての計算シートをつくり、企業の手間を省く形で開示に向けて支援する取組をしています。
     実際、この開示は全国的にも例は少ないですが、他県の事例で、資本建設業の会社で実際そういう取組をされ、開示に向けて自社がやっていることを整理して、強み、弱みを把握し、弱みを開示することで実際に従業員のリテンションをつなぎとめることに非常に効果が出たというお話も伺っていますので、私どももこの下半期に、今、進めています開示ツールの意義などを企業に御理解いただき、ツールを使っていただき開示を広げていきたいと考えています。
     もちろん、開示していただいたら、今度は実際にそれに合わせて、先ほど申し上げましたように自社の強み弱みを把握し、弱み等を改善していくことが非常に大事になりますので、来年度に向けては実際に開示に取り組むという意欲ある企業、自社の魅力をしっかりと社内にも社外にも伝えていこうという企業にも具体的な支援をしっかりと検討してまいりたいと考えています。
  • 43:◯要望(三好委員) おっしゃるとおりだと思いますので、それを前提にいろいろなことをやっていただきたいと思います。そのときに、先ほど言いましたように、意識調査もしていただいて、本当に開示したら会社や業種にとどまる人が増えていけばいいですが、そうではない人がどれぐらいいるか。リスキリングをしても出ていってしまう。実際に県庁の職員もそうです。どんどん民間に出ていく人も増えています。こうやって人の移動はどうしても起きてくるので、どれぐらいリスキリング宣言をして、リスキリングをしてとどまったのか、外に出たのか。このようなこともちゃんと調べて施策に落とし込んでいただきたいと思います。
     いずれにせよ、先ほど言いましたように、これから正社員を増やしていく、労働力をどんどん確保していくということと、広島県なりの味つけをして、国任せや運任せにせずに、ちゃんと広島県がどういう人材をどう移動させたいのかという思いを持って、施策を打っていただきたいと思います。大体人手不足というと何ともならないような気がしますが、特に労働関係はいつからどういう対象者でどう変わるのかが前もって発表されることが多いので、随分前から準備して、事前に対策を打っていくことで必ず結果が出てくると思っています。雇用保険もこれから変わりますし、いろいろと人の移動が起きるこの1年、2年ですから、後追いにならないように、前々にいろいろな施策を打っていただきますよう期待していますので、よろしくお願いします。

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