令和6年2月定例会(第7日)本会議一般質問

三好良治君 皆さん、おはようございます。自民議連の三好良治でございます。今次定例会におきまして、質問の機会を与えていただき、中本議長、緒方副議長、先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 まずは、能登半島地震におきまして被災された皆様に、衷心よりお見舞いを申し上げ、一刻も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
 さて本日は、いつものように最愛の妻に加え、初めて長女が応援に来てくれました。進学も決まり、暇な毎日を過ごす中、何とか連れてきたわけですが、あと3年して、次女も同じように家を出て行った場合、いよいよ妻との2人暮らしが始まることになります。優しくしてもらえるだろうか、邪魔者扱いされないだろうか、日に日に不安も増しますが、これからも仲よく暮らしていけるよう、自分なりに努力していきたいと思っています。よろしくお願いします。
 本日は、これまでと同様、幾つかの御提案も含め質問していきたいと思いますが、知事をはじめ、執行部の皆様には、娘の前で玉砕しないよいう、温かい御答弁をいただけますようお願い申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。
 最初は、日本経済の転換期における県の取組と知事の思いについてお伺いいたします。
 日本経済は今、外部要因によるインフレの状況にあり、これを内需拡大による安定的なインフレへと牽引させ、長年続いたデフレからの脱却を図る絶好のチャンスとも言われています。大きな捉え方をすると、お金の価値自体は下がっていくものの、物や人の価値は相対的に上がり、頑張った者が報われる、そんな希望の持てる時代の幕開けとも言えそうですが、こうしたときこそ、貧富の格差、年齢層や社会的立場によるさらなる分断が生じないよう、地方政治としても綻びを繕っていく必要があると考えます。
 特に、学校卒業と同時にリーマンショックを迎えた私たち団塊ジュニア世代は、長年右肩下がりの経済の中に身を置いてきたため、どれだけよいものをつくっても、最後は安くしなければならないという、ある意味謙虚な姿勢が染みついており、このマインドを逆転させるには、政治がしっかりとリードする必要があると感じます。
 先日、地元のグラウンドゴルフ大会で、あるおばあちゃんから、とにかく物が高い、若者の賃金はどんどん上がるが、年金は下がるばかり。政治はもっとしゃんとせえとお叱りを受けました。もはや日常の挨拶のようにもなったこのフレーズに対し、私はいつも年金額の改定の話をします。
 年金受給者の年金額は毎年改定され、世の中の物価変動率と現役世代の賃金上昇率の2つの数字を主に使います。物価の上昇に賃金が追いつかなかった場合、年金額は賃金の上昇率を掛け合わせ改定されます。私の解釈では、物価上昇をカバーするだけの賃金上昇とならず、現役世代が生活に苦しさを感じるときには、年金受給者の方もその思いを共有し、連帯責任型で改定するという意味合いだと思っています。
 一方で、現役世代の賃金上昇率が世の中の物価上昇率を上回る場合、年金改定には物価上昇率が使われ、現役世代ほど収入の増加はないものの、最低限、物価上昇分の全てを補償し、実質的に生活に苦しさを感じないよう改定がなされます。ちなみに、令和5年度は、物価上昇率が2.5%に対し、賃金上昇率が2.8%であったため、物価上昇率を使った改定により、基礎年金の満額支給額は、月ベースで1,234円増額されています。
 先ほどのおばあちゃんにこのことを説明し、物価が上がったら年金も上がるから心配ないですよ。でもそのためには、若者の賃金が上がることがもっと大切なので、どうしても必要な物はしっかりと買って応援してあげてねと伝えると、分かった。じいさんはけちで、年金を貯めてばかりおるが、わしが使っちゃると笑いながら帰っていかれました。けんかにならないといいなと心配しながらも、素直に聞いてくれ、小さなマインド変化が起きたことに、ひそかに喜びを感じました。
 一方、現役世代においては人手不足や賃上げムードが広がり、投資、転職、リスキリング機運も急速に高まる中、乗り遅れないよう備えるのに必死で、少し疲れさえ見え始めているように感じます。まさにこうしたときこそ、正確な情報発信、県民レベルでの意思統一、そして、リーダーが明確にビジョンを打ち出し、共感を得ていく姿勢が必要なのではないでしょうか。
 そこで、デフレからインフレに日本経済が大きな転換期を迎えようとしている今、県としてどのようなビジョンを描くのか、各年齢層や生活環境によって受け止めや不安も大きく異なる中、どのような施策、支援を行うことが重要と考えるのか、知事の御所見と県民へのメッセージをお聞かせいただきたいと思います。
 次の質問は、公共調達における適正価格の担保について、2点お伺いいたします。
 1点目は、公共工事の入札における適正価格の在り方についてです。
 県では、入札契約での不正を排除し、公正性、公平性、透明性の高い市場環境の整備を図るため、昨年9月、低入札価格調査制度を改正しました。このたびの改正では、不正の排除や同額によりくじ引が多発する状態の改善、実行予算に基づく入札の促進、競争意識の向上などを目的とし、実際にくじ引の件数が大幅に減少するなど、効果も現れ始めているようです。
 一方、地元の業界からは、これまで予定価格のおおむね90%だった調査基準価格が、82%から92%の変動型に改正されたため、応札価格をさらに落とすことにつながり、時代に逆行しているとの声や、工事の種別によってはうまく機能していないものもあるといった意見もお聞きしています。
 加えて、燃料や建設資材の高騰をいかに迅速に設計価格に組み込み、対応していけるかという点も、大変重要な課題であると思っています。本県で使用する建設資材の積算単価は、建設物価と積算資料という2つの刊行物に記載されている単価の平均により定められており、刊行物の単価が見直されると、県もそれに応じて改定する仕組みとなっています。
 しかし、刊行物の単価は改定プロセスが非公表であり、また、実際に取り引きされている単価が反映されるまで半年かかる場合もあるなど、実勢価格と乖離する実態があると聞いています。また、刊行物に掲載のない資材単価も4,000点以上もあるとのことです。全ての資材単価を完全に網羅できないことや、単価改訂までにタイムラグが生じることも理解しますが、このたびの震災の復旧・復興に伴い、さらなる資材高騰も想定される中、できる限り迅速に設計価格に反映させていただきたいと思います。
 そこで、このたびの制度改正など、公共工事の入札における適正価格の在り方について改めて伺うとともに、建設資材をより実勢価格に近づけていくための工夫等について知事にお伺いいたします。
 次は、県の委託・役務業務における低入札調査の在り方についてです。
 昨年9月、県立三次高等学校などの寮生に食事の提供業務を行っていた県内事業者が、経営悪化により突如業務を中止するという事態が発生しました。私はこの知らせを聞いた瞬間、県の責任は重大であるとの思いを強く持ちました。
 平成28年に制度化された委託・役務業務の低入札価格調査の対象は、設計金額の7割を下回り、かつ、契約担当職員が必要と認めるものと非常に限定的で、調査の責任体制も不明確です。今回のケースでは、契約担当職員が誰か規定上はいかようにも解釈でき、この制度が本当に機能しているのか疑問を持たざるを得ません。
 寄宿舎には平均40人の生徒が生活しており、食事ですから、朝昼晩3食の提供が前提となります。問題となった業者が県に示した必要人件費は、これだけの仕事の量を4校分、しかも3年間行うにもかかわらず、約1,650万円と破格に安い金額でした。実際にこの金額から保険料や各種手当を差し引き、有給休暇等を考慮して当時の最低賃金で割り戻して分析してみると、結果として40人分の食事の準備、調理、皿洗い、清掃、その全てを、生徒が食事を取る時間を含め、たった1人で2時間以内、もしくは2人で1時間以内に終わらせなければつじつまが合わなくなり、かなり無茶苦茶な積算根拠であったことが分かります。実際には、当時、三次高等学校の従業員だった方の話から、本当は毎日職員5人が従事し、1か月延べ約430時間の労働時間、これに必要な人件費総額は3年間で5,600万円だったことが分かりました。
 問題となった業者は3年間で約4,000万円の損失を抱えながら、県の委託業務を行ってきたことになります。県から受注し、評価を高めるとの企業判断もあったと思いますが、低入札価格調査をうたいながら簡単にパスさせた県の対応も、多くの子供たちに食事が提供できない状況を生み出したにほかなりません。調査に当たっては、単発で専門家の同行を依頼するケースもあるようですが、その位置づけや権限をより明確にすることで、各種手当との関連も含めた最低賃金や割増し賃金の支払い状況、労働保険や社会保険の適用の可能性などに加え、労働安全衛生法の定める必要人員の配置や責任体制などを詳細に監査し、精度の高い調査が実現できるのではないかと考えます。
 事業者が適正な価格で適正な仕事をしていくための仕組みづくりは非常に重要です。国においては既に、自治体の発注するごみ収集や学校給食などの委託料の増加を踏まえ、一般行政経費を300億円計上し、普通交付税の単位費用措置を3%程度引き上げる方針を示していますが、県としても、その要請にしっかりと応えていく義務があるのではないでしょうか。このたびの事案を深く反省し、再発防止に向けて、上辺だけでなく、しっかりと対応していただくよう強く望むものであります。
 そこで、委託・役務業務における低入札価格調査制度をより精度の高いものとするため、公共工事と同様、事務処理要綱へ社会保険労務士などの専門家による労務監査を明記し、その権限も明確に付与すべきと考えますが、今回、このような事案が起こり、見過ごされてしまった原因はどこにあるのか、また、県の今後の取組について、知事にお伺いいたします。
 次の質問は、本県の社会減対策について、2点お伺いいたします。
 1点目は、若者の人口流出の要因と社会減対策の在り方についてです。
 本県では依然として転出超過が続いており、メディアも総じてこの問題を報じるなど喫緊の課題となっていますが、私はもう少し冷静に現状を分析し、一定の考えを持った上で、転入、つまり人の呼び込みを行っていくべきと考えます。
 本県では、特に20歳から24歳の若者の県外転出が顕著で、その主な要因は、大学進学や就職であると言われています。しかし、そもそも若者の転出は本当に悪いことなのでしょうか。人が、地球から宇宙へ、日本から世界へ、広島から全国へと、チャレンジ精神と探求心を持ち羽ばたくのは、人類に備わった生存本能のようにも思えるのであります。
 実際に、総務省の統計により、転出人口の絶対数だけを見ると、例えば、昨年の鳥取県1万238人に対し、広島県は5万6,069人と、5倍以上の人口が流出していますが、これを県内の総人口で割ると、なんと、首都圏も含め、全ての都道府県で1%から3%の範囲に収まっていることが分かります。まるで、野生動物の世界で選ばれし精鋭たちが聖地を求め冒険の旅に出るがごとく、常に一定の割合なのであります。
 むしろ心配なのは、大学、短期大学への進学率です。本県の地元の大学、短大への進学率は53.2%、全国8位と高く、県外からの進学、流入率は40.2%、全国40位にとどまっています。つまり本県は、大学進学では県外からの流入が少なく、就職の際には県外に多く流出してしまうという状況にあります。大学は、全国から集まった仲間と苦楽を共にし、生涯の友をつくることができる場であり、県外から進学した学生はそのまま定住する動機も一定以上に高く、定住促進の絶好のターゲットにもなる存在です。地元への進学により転出を抑制すべきとの考え方もありますが、県内大学等の受入れ定員数が一定であることを考えると、私は逆に、県外への進学者を増やし、しっかりと学んだ後に広島に帰って来てもらうこと、県外からの進学者を増やし、県内で働きたいと思う魅力的な職場を創造していくこと、こうした目標設定が効果的であり、そもそも、進学と就職をしっかりと区別して対策を講じるべきと考えます。
 そこで、広島県の人口流出に関して、特に20歳から24歳の若者の動向と要因について、今申し上げたことの是非も含め、県の認識と今後の取組方針を知事にお伺いいたします。
 こうした問題意識を前提に、2点目は、広島県版奨学金返済支援制度の拡充についてお伺いいたします。
 さて、奨学金の制度となると、返済免除や軽減する方向の意見が強く押し出されますが、私の意見は違います。教育を受ける対価として、相応のお金が必要なのは当然のことであり、事後的に返済の義務を免除する制度は、いろいろな理由により大学進学を選択しない若者の心に不公平感を生じさせかねません。私はかねてより、大学は親が行かせるものではなく、自分の力で行くものという考え方が当たり前の社会になってほしいと思ってきました。親に頼るばかりの大学進学は、国力の低下を招きかねないと危惧しています。
 日本学生支援機構の調査では、国公立大学の場合、4年間で学費を含め平均716万円が必要で、アルバイト収入などを差し引くと、約550万円あれば、奨学金を借りて、全て自らの力で大学を卒業することができます。これは同機構の最大貸付額、月額12万円を4年間借りた場合の576万円とほぼ一致し、現在の設定金利1%、返済期間を最長の20年で計算すると、返済額は月額2万7,000円となります。勉強する若者からなぜ利息まで取るのか、住宅ローンのように返済期間を長くできないのか、率直な疑問も感じますが、機構も独立行政法人として成り立たなければならず、致し方ないと理解します。本来、国が子育て支援、少子化対策の一環として、利息と返済期間の延長の支援を行えば大きな成果を期待できますが、国がやらないなら、若者の転出に悩む我が県のチャンスにできるとも言えます。
 世の中は、人生100年時代に突入し、定年年齢も延長されてきています。奨学金の返済期間が50年になってもおかしくないのではないでしょうか。県内中小企業の人材確保を目的とし、それを県が実施すれば、先ほどの返済額は、なんと月額1万円以内で済みます。利息も含め、借りたものを全て自分の力で無理なく返済できる制度は、非常にすがすがしい思いがします。当然、徴収する事務負担やリスクもありますが、基本的に県の実質的な持ち出しはなく、給付型で大盤振る舞いするより不公平感がない制度と考えます。
 何より、親に頼らず自分の力で進学をかなえられる広島県という姿勢に共鳴する、責任感あふれる若者の心をつかむことができるのではないかと思います。本県の、理工系学生への奨学金給付や、企業へ肩代わりする奨学金返済支援を大胆にリニューアルし、県の主要施策として旗を上げてはいかがでしょうか。
 そこで、人生100年時代に突入する中、県内に就職する若者の奨学金を県が代位弁済し、長期返済を可能とする奨学金の返済制度の導入など、県内中小企業の人材確保にもつながる広島県版奨学金返済支援制度の拡充を検討いただきたいと思いますが、知事の御見解をお伺いいたします。
 次は、手話言語の普及や障害の特性に応じた意思疎通手段に関する条例の制定に向けた検討についてお伺いいたします。
 手話言語の普及や障害の特性に応じた意思疎通手段の利用促進については、関係団体の要望も強く、過去に条例制定に向けた動きがあったものの、当時は、一元的な国の法制化を求める声など慎重論も強くあったことなどから、具体的な進展に至らなかったと承知しています。また、当時、県に要望された聴覚障害者3団体の要望内容や考え方にも違いがあり、動き出すのが難しい状況であったように記憶しています。しかし、あれから時間も経過し、聴覚障害者3団体の考え方にも一定の整理がつきそうだと伺っております。また、既に38都道府県で条例が制定され、手つかずは広島県を含め9県となりました。
 最近では、聴覚障害者を主人公とするドラマなどが人気を博し、手話つきの歌が学校で教えられるなど、確実に理解も広がってきているように感じます。さらに近年、災害も多発する中、聴覚障害を持つ方にとっては手話に加え、様々な情報伝達ツールが使えるよう環境を整えていくことも大切です。
 一昨年、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法も施行され、機が熟してきた今、まずは当局において、改めて関係団体からの意見を聴取するなど、条例制定に向けた具体的な準備作業に入っていただくことを強く望み、要望するものであります。
 そこで、本県の手話言語の普及や障害の特性に応じた意思疎通手段に関する条例の制定に向けて、現状認識、課題、今後の取組方針等について知事にお伺いいたします。
 次は、宮澤喜一記念館の設立に当たっての県の取組についてお伺いいたします。
 福山市金江町に本籍を有する元内閣総理大臣故宮澤喜一先生は、平成15年に福山市名誉市民、平成16年に広島県名誉県民の称号が贈られるなど、郷土の生んだ偉大な政治家です。50年にわたり国政をリードし、特に、サンフランシスコ講和条約の締結では、全権随員として我が国の主権回復に力を注がれるなど、政治、経済、外交の指導者として戦後復興の礎を築かれ、我が国の繁栄と世界平和の推進に大きな貢献をされてこられました。
 こうした功績をたたえ、後世に伝えていくため、福山市松永地域の自治会有志による宮澤喜一顕彰会の皆さんが福山市に対し、記念館設置の要望を続けて来られた結果、令和4年12月の福山市定例会において、枝広市長が設立に向けた表明をされ、宮澤喜一記念館が松永町のはきもの資料館内に、今年の春、オープンする運びとなりました。原動力となった顕彰会の皆さん、多大な寄附を頂いた多くの皆様に感謝を申し上げますとともに、福山市議会、並びに関係者の皆様方の御理解と御努力に、改めて敬意を表する次第です。
 当施設には、書籍や自筆の書をはじめ各国要人からの書簡や美術品など、歴史を研究する上でも貴重な品々の展示、オーラルヒストリーの第一人者で政治学者の御厨 貴先生など、宮澤喜一先生をよく知る著名人による解説動画も放映されます。また、子供向けのクイズも用意され、JFEの前身、日本鋼管福山製鉄所の誘致やJR福山駅の高架事業など、福山市はもちろんのこと、広島県の発信も広く行われる予定で、地元の松永地区まちづくり推進委員会の皆さんが、優しく、面白く館内を案内してくださることになっています。
 福山市では、来年、鞆の山側トンネルが開通する見込みで、また、福山城や鞆の浦、潮風を感じながら走れるしおまち海道サイクリングロードなど、多くの観光資源を有しており、こうした観光資源と連携することで、ぜひ、県内外の多くの観光客や子供たちに、修学旅行や学習会、実地研修などで訪れていただきたいと願っています。
 そこで、宮澤喜一記念館が今年の春オープンするに当たり、県内外に広く情報発信し、観光客や修学旅行、社会科見学、各種勉強会等、多くの方々が訪れ、利用してもらえるよう、県としてもぜひ後押ししていただければと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次は、水産業の振興についてお伺いいたします。
 県の水産業は近年、就業者の減少や高齢化に加え、漁獲量も減少し、今年は魚が全く捕れない、クラゲがいっぱいで操業できないといった話も多くお聞ききします。また、最近は海水温が下がらず、一部ではカキ祭りも中止になったとのことですが、地球温暖化に加え、海の貧栄養化など、本県の水産業を取り巻く状況はさらに深刻になっていると感じます。その中でも一番の課題は、言うまでもなく、海から魚が減っていることであり、本県でも、藻場や干潟の造成による漁場環境の改善、種苗放流や資源管理など様々な取組を行ってこられたと承知しています。
 そうした中で、特に栽培漁業については、これまで、県主導で種苗生産技術の開発や量産化が進められ、広島県栽培漁業センターにおいて、マダイ、クロダイ、ガザミをはじめ多くの種苗を生産し、放流してこられました。この種苗放流は漁業者からの期待も大きく、今では、栽培漁業センターで生産された種苗を漁業者自らが購入し、中間育成などを経て、県内各地で放流を行っておられます。放流しているから魚が減らないという声をよくお聞きしますが、水産業の振興にはこれが一番の近道ではないかと思っています。
 さて、その栽培漁業センターは、完成から40年以上が経過し、職員の高齢化や施設の老朽化も進み、生産技術の継承が難しくなってきています。限られた運営費の中で、新規技術者の採用に向けた処遇改善や種苗の価格転嫁も難しいとお聞きしており、県内水産業の振興に向け、県としてもっと支援を強化すべきではないでしょうか。
 そこで、水産資源を増やし、地魚を安定供給していくために、県としてどのように取り組み、漁業者の収益を確保していくのか、また、栽培漁業センターへの支援の強化についてどのようにお考えか、知事の御所見をお伺いいたします。
 最後の質問は、教育委員会の在り方に係る基本計画の策定についてです。
 現在、県教育委員会では、次期今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画の策定を進めておられます。我が会派の意見を反映し、統廃合の基準である2年連続の全校生徒数を80人未満から60人未満へと緩和したことは評価しますが、県立高校全体の10年という長期計画です。引き続き、生徒数の推移のみならず、地理的条件や地域の実情にも留意され、必要な場合には議会とも協議を重ね、全県的な視野に立った対応を強く要望いたします。
 さて、これまでの協議を通じて私が教育委員会に持った印象は、数字を正当化するための弁明が多かったという少し残念なものでした。私は薄っぺらなエビデンスより、教育委員会として子供たちのことをひたすらに考え、自信を持って自らが導き出した数字であるといった信念と決意の言葉を聞きたかったと思います。なぜなら、子供たちにとって最適な学びの環境とは何か、この議論こそ、皆さんがよく言われる答えのない問いであり、どこかの論文のコピペや隣の答えを見るような説明では、決して真の答えにたどり着けないと思うからであります。
 さらに、これまで統廃合が行われた翌年の予算において、施設管理費、教員や教育委員会職員の人件費をいかに削減したかという記載を見たことがありません。生徒数の減少による学校の統廃合という理屈を通すのであれば、それに携わる教員や職員の削減という理屈も当たり前であり、仮に、他の学校や業務への振替を行うとしても、削減効果を見える化し、賛同を取るべきです。
 教育委員会自らが身を切るとの覚悟の上で行う統廃合であれば、僅かな人員削減だとしても、そこで捻出される財源を明確に示し、例えば、募集停止する学校と他校による合同学習やクラブ活動を行うためのスクールバスの運行代、ICT教育の環境整備などに充てたりすることで、関係者の理解も得やすくなるのではないでしょうか。
 今回の基本計画が具体的に実行されるに当たり、ぜひ、持っていただきたい心構えであり、その上で、県全体の組織運営体制の在り方を定める行政経営の方針にも反映していただきたいと思います。
 そこで、県立高校の再編整備を進めるに当たり、県教育委員会においても組織の在り方に係る基本計画を策定される考えはないのか、また、統廃合を実施する必要が生じる場合、その余剰金を示し、対象校への支援に充てるなどの取組を行うことについて、教育長の御所見をお伺いいたします。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

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