令和3年度予算特別委員会(第6日)リスクリングに関する協議会について

  • ◯要望・質疑(三好委員) 皆さんおはようございます。先日に引き続きまして、質問させていただきます。
     初めの質問は県が新たに設置するリスクリングに関する協議会についてお伺いいたします。
     私は、今次定例会の一般質問で、働き方改革に係る現状のテーマ設定の考え方と今後の展開についてお伺いいたしました。
     県民の共感が得られるテーマを選定して調査研究や事業展開を行うべきとの提案に対して、知事からは、今後、県としては、産学官等が参画する新たな協議会を設置して、リスキリングなどの人材投資を通じて、従業員の働きがいを生産性向上につなげる環境づくりの在り方や、雇用形態の違いにかかわらずスキルや仕事ぶりが適正に評価されるための評価処遇の在り方などについて、効果的な施策を検討していくとの御答弁をいただきました。
     県ではこれまでも、働き方改革を実現するための様々な施策を講じられてきており、今後も新たな取組がなされて行くと思いますが、私自身は、このように有識者の意見を聞きながら取組を検討していくことは、県が目指す働き方改革の実現に向けても、非常に有意義なものであると考えます。
     一方で、特に中小企業の現場においては、働き方改革関連法の段階的施行に伴い、幾つもの制度改正に対応していかなければなりません。具体的には、昨年の4月からは、同一労働同一賃金がスタートし、本年10月からは、従業員101人以上の企業に社会保険の適用が拡大され、さらに令和5年4月からは、これまで猶予されてきた月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率が適用されるなど、度重なる制度改正への対応により、思うように働き方改革を進めることができない企業もあるのではないでしょうか。
     県が進めようとする働き方改革が、絵に描いた餅にならないようにしなければなりません。
     これも本会議でお伝えさせていただきましたが、例えば、先ほど触れました同一労働同一賃金についても、同じ仕事をすれば同じ給料といった単純なものではなく、均等待遇、均衡待遇を厳密に図るためには、あらかじめ職務分析や役割評価を詳細に行う必要があり、これらを基に職務内容や役職、階級を明確にひもづけ、確立された人事評価制度と連動させる大変複雑な手順が必要となります。
     質・量ともに人材が不足する現場の実態を顧みずに、一般論を手引やマニュアルで示すだけでは、同一労働同一賃金が幾らすばらしいものであったとしても、中小企業の取組が進むはずもありません。
     そのため、県が設置する協議会では、このような現場の実態に精通し、実務にたけた専門家や有識者もしっかりとメンバーに入っていただき、地に足の着いた議論を進めていただくことを強く要望するものであります。
     そこで、来年度、県が新たに設ける協議会について、どのような委員構成で、どのようなテーマを議論していくお考えか、また、実務にたけた専門家や有識者を含めた議論を行うことについてどう考えるか、併せて商工労働局長の御所見をお伺いします。
  • 2:◯答弁(商工労働局長) 新年度から設置するリスキリングに関する協議会におきましては、将来の需給ギャップに対応した円滑な労働移動に向け、習得が必要なスキルの明確化、働きながら学ぶ労働環境や雇用管理の在り方、労働市場の流動化に向けた社会システム等の課題について、議論したいと考えております。
     また、協議会の下に2つの分科会を設置することを予定しており、協議会と分科会それぞれの委員の選定につきましては、現在調整を進めている段階ではございますが、公労使が協力してリスキリングを推進するための施策について合意形成を図るため、国の機関や労働団体、経済団体の関係者に参画いただくこととしております。
     その際、労働移動可能なスキルの検討に向けては、デジタル分野や人材育成、労働需給などに関する有識者や実務者を候補に予定するほか、雇用管理の在り方や労働市場の流動化の検討に向けては、人事や経営、労働経済分野に関する有識者や県内の経営者等に参画いただけるよう、選定作業を進めているところでございます。
     このほか、分科会の検討テーマに応じて、県内企業の事情に精通し、実務経験豊富な有識者にも参考人として意見聴取することを検討してまいります。
  • 3:◯要望・質疑(三好委員) 来年度、この働き方改革において、大変重要な協議会の設置を行われるわけでありますので、ぜひともお願いしたいと思います。
     一つは、やはりこの協議会でこれから進む方向、理想をしっかりと語っていただくことは大変重要でありますが、一方で、先ほど申し上げたように、実際にはかなり現場でいろいろな課題も出てくると思いますので、しっかりと両方解決できるようなものをつくっていかないと、絵に描いた餅になってしまうと思います。
     その辺もバランスよくやっていただくとともに、あまり手離れがよくなり過ぎると、結局、県のグリップが効かないことになりますので、しっかり私たちの意見もそこに反映できるように、逐次また御報告いただきたいと思います。ぜひともよろしくお願いいたします。
     最後に、介護・障害福祉職員及び保育士等の賃上げ効果が継続されるための取組についてお伺いいたします。
     岸田政権の下、国においては、令和3年度の補正予算において、介護・障害福祉職員、保育士等を対象に、本年2月~9月までの間、介護職員処遇改善支援補助金等を創設し、収入を3%程度引き上げるための措置が取られました。
     また、10月以降についても、同程度の賃上げが引き続き可能となるよう、処遇改善加算等に係る報酬改定が行われる旨の報道がなされています。
     しかしながら、処遇改善加算制度は、内容が複雑で、実際に制度の趣旨に沿って運用していくためには、事業者側においても多くの課題を克服していく必要があります。また、申請や報告の受付、実態の把握や監査を行う行政側においても、介護・障害福祉職員、保育士等、それぞれ仕組みが違い、かつ事業所の裁量部分も大きいため、大変な労力が必要となります。
     こうした多くの課題の中で、私が特に支援の充実や監査体制の強化が必要と考える点を何点か申し上げます。
     まず一点目は、加算に係る報酬の適正な配分です。処遇改善加算は、事業所全体の介護報酬や保育士の経験年数等を基に加算額が計算されますが、一部を除いてその配分は事業者の裁量に委ねられます。そのため、極端な言い方をすれば、誰か一人に全額支給しても違反ではないということになります。より詳細な報告を求められるようになったため、こうした極端なことは起こらないとは思いますが、制度ができた当初、経営者の利益ばかりに使われたという悪しき前例もありましたし、実際に、加算を受けられる職員と全く恩恵にあずかれない職員との間に溝ができてしまった例もお聞きしています。
     お願いベースにはなりますが、配分に関する計画並びに報告を受ける県としても、しっかりとした方針を持って臨むべきと考えます。
     二点目として、加算を得るための取組内容の実践をいかに担保していくかという観点も重要です。加算額を算定するためには、キャリアパス制度の構築や研修の実施等に加え、職場環境の改善などが要件とされますが、例えば、研修の実施については、書面だけの計画と報告で足りるものもあり、また、資質向上の目標設定と能力評価の仕組みづくりに関しても、同一労働同一賃金が担保されるまでの突き詰めた制度を導入している事業者はまだ少なく、これらを担保するための県の支援は大変重要であると考えます。
     三点目として、事業者の事務の煩雑さも大変なもので、ただでさえ複雑な計画書や報告書の作成に加え、職員一人一人の経歴の確認や、意向確認の作業も必要となります。
     また、支給要件となる職場環境の改善等に取り組もうとすれば、キャリアアップ計画や両立支援計画、新たな賃金体系とそれに基づく人事評価制度の導入など、その一つ一つに大変なエネルギーが必要となるため、事務補助制度の検討など、県としても積極的な支援が必要と考えます。
     さらに、四点目に、行政側の課題として、各市町との連携が挙げられます。保育士等の処遇改善加算制度に関して、公定価格変動分として国から支払われるもののうち、給与改善部分を正確に運用するためには、定期昇給の幅を上げればよいわけではなく、そもそもの賃金テーブル全体をベースアップする必要があり、結果、当然毎年の初任給も変動することとなり、また、賃金規定等の変更届も行わなければなりません。
     しかし、こうした定期昇給とベースアップを間違えている事業者も多く、また市町の指導にもばらつきがあり、実際に2年前に県の担当部署に対応いただいたことがありました。各市町としっかりと連携を取り、事業者の啓発のみならず、行政側の研修等にも取り組む必要があるのではないでしょうか。
     こうした中、厚生労働省の資料によると、介護分野では全体の約75%が、障害福祉分野では約67%の事業者が、最も高い加算区分、つまりキャリアパス要件を全て満たすことを条件とする加算区分で算定しています。
     処遇改善制度は、賃上げだけに目が向きがちですが、そもそも介護、障害、保育などの分野で働く方々が各自のキャリアプランを描き、それに向けて資質の向上などに取り組んでいけるよう事業所の環境整備を促すことも、もう一つの大きな目的です。
     高額加算区分に属する県内事業者の割合をさらに高め、職員の賃上げやキャリアプランの形成に係る環境整備を促進していくためにも、この制度が効果的に活用されるように、県が強力に支援することは大変意義のあることだと考えます。
     そこで、事例として申し上げた課題を踏まえ、処遇改善加算制度の効果的な活用に向けて、県としてどのように関わり、賃金を含めた職員の処遇改善を担保していくのか、健康福祉局長にお伺いいたします。
  • 4:◯答弁(健康福祉局長) 介護職員処遇改善加算等は、事業主が介護職員等の雇用労働条件の改善と資質の向上を図ることにより、介護サービスの質を高めるために創設されたものであり、この制度が適切に運用されることが重要であると考えております。
     このため、まず一点目の加算に係る報酬の適正な配分につきましては、事業者に対して、事前に制度の主旨を丁寧に説明し、処遇改善加算相当額を介護職員等に適切に配分するためのルールを就業規則に定めるよう求めるとともに、必要に応じて実績報告に証拠書類を添付させ、適正に配分されていることを確認してまいります。
     二点目の加算を得るための取組内容の担保につきましては、事業者への実地指導において、処遇改善加算等の取得要件であるキャリアパス制度の構築や職場環境の改善などの実施状況を確認してまいります。
     三点目の事務の煩雑さにつきましては、事務職員に対して、基本的な仕組みを理解してもらった上で、効果的な事務処理方法についての研修の実施などを検討してまいります。
     四点目の各市町との連携につきましては、処遇改善加算等に対する基本的な考え方に関する理解を深めるほか、事務処理手順等について、標準的なチェック表やマニュアルを示しながら、県と同等の指導となるように市町の担当者に対して研修を実施してまいります。
     こうした取組を通じまして、処遇改善加算制度が効果的に活用されるよう努めてまいります。
  • 5:◯意見・質疑(三好委員) 御指摘したとおり、やっていただけるという回答でありました。
     これはもともと国の制度でありますし、県としてできることはそう多くないかもしれませんが、やはりできることもありますので、そこをしっかり丁寧に見ていただいて、処遇改善加算がしっかりと実行されますよう引き続きよろしくお願いいたします。
     その上で、続いて介護・障害福祉職員及び保育士等の賃上げ効果が継続されるための県独自の取組についてお伺いいたします。
     介護職員等の賃上げ効果の継続に向けて、処遇改善加算制度の効果的な活用以外にも、県独自の取組が必要だと考えますが、広島県のホームページで公開されている令和4年度当初予算案の概要を見ると、処遇改善加算等に関わる取組の記載にとどまっています。
     しかしながら、今次定例会の知事説明の中では、湯崎知事から、介護サービス等事業所に勤務する職員の賃上げ効果が継続されるための取組を行っていくとの御発言がありました。
     これは先ほど申し上げましたとおり、国が処遇改善加算等を導入して、継続した賃上げに向けて取組を進める中で、それに呼応する形で県としても独自の取組を進めていくという前向きな姿勢を示す発言と受け止めて、大変期待しているところであります。
     例えば、職員のキャリアアップ等を促進し、それに伴う継続的な賃上げにつながるよう、研修費の助成や、人事評価システムの導入支援、また、自主的に労務監査を受けようとする際の補助など、事業所が行う環境整備に対して県が独自に支援することも考えられるのではないでしょうか。
     そこで、処遇改善加算制度の運用だけではなく、県が独自に、職員の賃上げ効果が継続されるための取組を進めていくことについて、どうお考えか、健康福祉局長の御所見をお伺いいたします。
  • 6:◯答弁(健康福祉局長) 事業者が処遇改善加算等を活用いただくことが、やはり重要と考えておりまして、その加算等を取得するためには、三つの要件がございます。
     一つ目が、介護職員等の職務内容等に応じた任用要件と賃金体系の整備を行うこと。
     二つ目が、資質向上のための計画を策定して研修の実施、または研修の機会を確保すること。
     三つ目といたしましては、経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判断する仕組みを設けることが必要でございます。
     厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会の令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によりますと、上位の加算の届出が困難な理由として、昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑であるところが、大きな原因の一つに挙げられております。
     そのため、県といたしましては、事業者ができるだけ負担のない事務作業で加算を取得できるよう、労務関係の専門的知識を有する社会保険労務士の協力を得ながら昇給に係る仕組みの導入を支援するセミナーの開催などの支援策を検討してまいります。
  • 7:◯質疑(三好委員) 思っていたより踏み込んだ御答弁をいただきましてありがとうございます。
     ただ、一つ気になることがありまして、前の質問は、処遇改善加算をしっかりやっていくために県として何をやっていくのか、先ほどの質問はそういうレベルではなく、県として一体何をやっていくのかという質問でありましたけれども、今の御答弁は処遇改善加算の中で、できることはこうですという御答弁でした。
     ここは私のこだわりがある部分でありまして、以前から説明を受ける中で、介護職員や保育士等の賃上げ効果が継続される取組を行っていきますという説明を受ける中で、県として何をやるのですかと言うと、処遇改善加算ですと言われます。処遇改善加算、処遇改善補助金はもともとほとんど国の事業ですからルールも国がつくるので、県の事業として言うのはあまりよろしくないのではないですか、県として何をやるのですかと言うと、答えが返ってこない。処遇改善加算を少しでもお手伝いするというレベルなのです。
     実際に県のホームページを見ても、介護職員を対象に賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入の3%程度引き上げるための補助を行うと書いてあります。前提としてですから、あくまでこういう取組は企業、事業所で行ってください、県は給付事務を行いますと書いてあります。
     ところが、今回の本会議の知事説明の中で、私はそこを注意深く聞いていたのですけれども、この前提という言葉が取れて、県として賃上げ効果が継続するための取組を行っていきますと言われたわけです。この前提があるかないか、言葉のあやと言われたらそれまでかもしれませんが、岸田政権の下でも、大変重要な施策ですから、政治や行政に関わる私たちは注意深く見ないといけないと思うのです。
     処遇改善加算は国の制度ですが、それ以外に県としてやると言われたわけであります。そこの部分について、まだ私たちは事業として聞いていませんので、そこをしっかりつくっていただきたいと思います。
     通告していませんでしたけれども、ここの部分は気になっていますので、県として本当にこの処遇改善以外の取組をしていただけるのかどうなのか、お伺いしたいと思います。
  • 8:◯答弁(健康福祉局長) 職員の処遇改善を継続、さらに取得を上げていくためには、やはり加算の活用が重要であると考えております。現行加算の取得できている事業所の割合につきましては、委員御指摘のとおり75%、保育におきましてもまだ100%になっておりませんので、まずは加算を取得いただくこと、さらには加算を継続して算定するためには、様々な要件を遵守し続ける必要がございますので、その環境を持続するための研修等、さらには、そういう計画を策定するサポートを行いながら、この加算が継続的に活用できる環境の整備に引き続き取り組んでいきたいと考えております。
  • 9:◯要望(三好委員) 今日は時間がありませんのでこれで終わりたいと思いますけれども、やはり県として、継続して取組を行うという発言だと私は思っていますので、これからもまたしっかり議論させてください。ありがとうございました。

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