令和2年度決算特別委員会(第9日)(三好委員)児童虐待、国民健康保険県単位化について
- ◯質疑(三好委員) 自民議連の三好でございます。それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
私から2点お伺いしたいと思いますが、まず1点目は、児童虐待に関してお伺いします。
児童虐待事案は潜在化、長期化し、深刻な被害に至る可能性が高いという特徴があり、本県においても事案件数は年々増加傾向になっています。児童虐待においては、事態が急展開して重大事件に発展する前に関係機関が連携し、児童の安全確保を最優先とした対応が重要と考えられますが、県警察では児童相談所との連携強化を図るため、令和元年度から広島県西部こども家庭センターへ、令和2年度から広島県東部こども家庭センターに、それぞれ現職の警察官を1名ずつ派遣されておられます。
私自身、先般東部こども家庭センターに伺って、ある事案について相談したことがありますが、その事案を解決するためには、保護対象者やその兄弟、その友人の非行グループへの接触が不可欠で、警察の持つ情報や犯罪行為への対応ノウハウがどうしても必要だったということでした。手遅れになっていれば最悪の事態も考えられたケースで、警察には大変大きな役割を果たしていただいたとセンターの方も感謝されておりました。
そこで、児童虐待の現状をどのように分析されているのか、また、現職警察官を派遣した効果にはどのようなものがあるのか、そして、今後、関係機関との連携についてどのように考えておられるのか、併せて警察本部長にお伺いいたします。
- 113:◯答弁(警察本部長) まず、児童虐待事案の現状分析について申し上げます。
令和元年の県警察における児童虐待事案の取扱い件数は1,660件、前年対比178件増で、把握された被害児童数は2,984人、前年対比295人増であり、年々増加しております。本年上半期におきましても同様の傾向を示しております。態様別被害児童数を見ますと、心理的虐待が最も多く全体の約7割を占めており、そのうち児童の面前で行われる保護者等のDV事案による心理的虐待が69.8%でございます。
被害児童のうち県警察が通告した児童数は、2,045人に上り、中でも未就学児童を含む6歳以下の児童が全体の46.4%を占めております。警察が認知する事案は被害児童の家族や本人からの通報が最も多く、次いで近隣住民などの地域からのもの、児童相談所などの関係機関からのものとなります。また、刑事事件として検挙したものは59件であり、そのうち暴行傷害が83%を占めております。
次に、こども家庭センターへ現職警察官を派遣した効果についてですが、派遣された現職警察官は双方の権限を有する身分で活動しているところでございます。その効果といたしましては、相互理解により警察本部や警察署との連携がより円滑になったこと、重篤事案に発展するおそれのある事案や切迫した事案などの情報を共有し、より迅速な対応が可能となったこと、警察が把握していない事案についても早期に情報提供がなされ、事件化に向けより適切な対応が可能になったことなどが挙げられます。
関係機関との連携は潜在性の高い児童虐待の早期発見と被害児童の早期保護のために非常に重要であると認識しております。今後もこども家庭センターをはじめとする関係機関との連携をより一層強めてまいりますと同時に、県警察といたしましては、引き続き被害の早期発見と児童の安全確保を最優先とした対応を徹底してまいります。
- 114:◯要望・質疑(三好委員) 今お話があったように、随分増えているという状況でもありますので、残念なことですけれども、この取組が縮小するということはなかなか考えられなくて、むしろこれからもさらに積極的にやっていただくということだと思っています。その際には、いろいろな事案を積み上げていただいて、人員も含めて、また、今後どういう対応をしていくべきか、私たちへも御報告を頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続いて、国民健康保険県単位化について、何点かお伺いしていきたいと思います。
まずは、県の示す保険料の根拠と考え方についてであります。
現在、県の示した保険料率を参考に、各市町が保険料率を定めて賦課徴収しており、当然、これまで各市町が設定してきた保険料率や方式と差が生じることになります。
具体的には、所得割については随分と低めに設定された感があり、広島市では0.24%被保険者負担が減り、これまで設定が低かった大竹市でも0.05%の負担増にとどまっています。併せて平等割、つまり世帯割も低めに設定されて、広島市では1世帯6,398円減となり、これまで低めに設定されていた大崎上島町で2,270円の負担増になっています。一方で、均等割は随分引き上げられた感があり、最も大きい尾道市では1人頭6,143円の負担増となります。ちなみに、いくつかの市町で重要な財源の一つとされてきた資産割については段階的に廃止されると伺っております。まとめてみると、県の示す保険料率は、これまで各市町が設定してきた保険料率と比べて、およそ所得割と平等割が低くなって、均等割が高くなったということが言えるのだろうと思います。
そこで、これまで各市町が設定してきた保険料率は長年にわたる運用の中で、収納額と収納率を維持させるためのノウハウの集積でもあると思いますし、また、そこにはそれぞれの市町の思いも込められていると私は思っています。その思いを私なりに解釈すると、おおよその市町の傾向として、所得割を高く設定して収入の高い人から確実に保険料を徴収させてもらうことで、徴収業務を効率化させ財政を安定させていく一方で、均等割を低くして平等割を高くすることで、家族や世帯を分断させず守っていくのだというメッセージを私は感じることができます。
一方で、県の示した保険料率は、所得割を低く設定することで働く人の負担を減らし、併せて奥さんが起業するといったような例が分かりやすいと思いますけれども、配偶者が扶養から外れて共働きすることも推奨すると同時に、世帯を分けていく、すなわち核家族化することにも今よりはメリットを与え、その一方で、子供が増えると負担感は大きくなりますという誘導が形式上成り立つのだろうと私は思っています。この負担割に異論があるわけではなくて、もともと将来への責任を果たすためには全てにおいて負担増となっても致し方ないと私は思っているぐらいですので、今回県の示した保険料率は決して間違っていないと思っていますが、ただ、そこには、県民へ届くしっかりとした思いが込められていないといけないと思いますし、そうでなければ、その都度数字を合わすだけでぶれも大きくなってくるのではないかと思っています。
そこで、県の示す保険料率を設定するに当たり、どのような考え方や将来展望に基づいてつくり込まれたのか、その思いをお聞かせいただくのと同時に、1年間が終わって各市町の反応はどうであったか、今後の取組も併せて健康福祉局長にお伺いします。
- 115:◯答弁(健康福祉局長) 県が示す市町村標準保険料率につきましては、県と市町が合意の上で策定いたしました広島県国民健康保険運営方針に基づいて算定しております。本県では、運営方針において、被保険者の負担の公平性を優先的に確保することとし、将来的には県内どこに住んでいても同一の所得水準、世帯構成であれば同一の保険料になることを目指しております。
こうした中、各市町からは低所得者への配慮や子育て世帯への支援につながる算定方法への見直しについての御意見も頂いているところでございますが、現在、県が示している市町村標準保険料率に対して大きな異論は伺っていないところでございます。令和5年度までは激変緩和措置期間として、市町独自に保険料率を設定できることとしておりますが、令和6年度に保険料が急激に上昇することがないよう、県と市町等で構成する国民健康保険連携会議において引き続き進捗管理を行ってまいりたいと思っております。
- 116:◯要望・質疑(三好委員) 思いを聞かせていただきたいというお話をさせていただきましたが、なかなか難しいのだろうと思います。
所得水準が低いので税負担感が大きいとはホームページにも載っておりますけれども、先ほど言いましたように均等割が大きくなるわけですから、子供が増えたとき大変ですけれども、これが責任の取り方だというものがしっかり発信されるべきだと思うのです。けれども、そういうのはあまり見えないのです。どんな医療制度をこれからつくっていくのか、どんな広島県にするのかということを、全国に先立って広域化をやっている中で前面に出そうと始まったはずだと思っていますので、ただ単に計算しただけではなく、そこにしっかり思いが入っていることを、私たちも伝えていかないといけませんから、これからもしっかり出していただきたいと思います。また別の機会でお聞きしますので、ぜひともその思いについて教えていただきたいと思います。
続いて、医療水準に関してですけれども、広島の県単位化の特徴の一つとして、地域ごとの医療水準を保険料に反映させないことが早々に取り決められました。病気になるのは個人の責任ではなくて、社会が補償するという考え方は、まさに国民健康保険制度の真髄であってすばらしい考え方だと思っています。
一方で、激変緩和措置の実行期間、すなわち、全体をサンプリングしなければいけないという今の時期に早々にこうした方針が決定されたという点については、私自身違和感を持っていて、本来ならばそれよりも前に、これまでも言ってまいりましたけれども、各市町で対象年齢にばらつきのある乳幼児等の福祉医療費公費負担制度などの差をなくして一元化することを決定し、県内どこにいても同じ負担で同じサービスを受けられる体制を確立することこそが、県がやるべきことではなかったかと思っています。また、私たち議会においても、もっと慎重にそのことを議論する機会が与えられるべきではなかったかとも感じています。
医療費水準を保険料へ反映する制度は、今後もしも過剰な公費負担制度を続ける市町や、特定健診の受診率が極端に低い市町が出てきた場合に政策誘導する大きなカードとなり得るものですから、医療費水準と収納率の保険料への反映という二つのトリガーの一つを我が県は早々になくしたということになります。そう考えると、やはり私自身、医療費水準を反映させないことを決めた時期と手順については、やはり疑問が残るところであります。
そこで、各市町の医療費水準を保険料率に反映させないとした経緯と考え方について、また、指摘させていただいたように対象年齢にばらつきのある乳幼児等の福祉医療費公費負担制度の統一がその大前提であると私は考えるわけでありますけれども、この考え方に対する御認識を併せてお伺いいたします。
- 117:◯答弁(健康福祉局長) 平成30年度の国民健康保険の制度改革は、市町の垣根を越えたより大きな器の中で公平な制度へ変えていくものであり、また、国民健康保険は、受益の多寡にかかわらず、互いに助け合う相互扶助の理念に基づく医療保険制度であると認識しております。
県単位化後においては、市町は保険者として、資格管理や保険給付、保険料の賦課徴収、保健事業を行っており、医療費水準や保険料収納率について、市町間の差が生じているところでございますが、ある一定の医療水準が担保されていることから、保険料に反映させないということで県と市町で合意しているところでございます。一方、乳幼児医療費などの福祉医療費公費負担事業におきましては、医療費において波及増が生じるという課題があることから、国は小学生以上については市町国民健康保険の国庫負担の減額を行っているところでございます。
こうした中、本県では、国民健康保険財政への影響を勘案し、この減額相当分につきましては、各市町が政策的経費として一般会計から国保特別会計へ補填することとしております。しかしながら、保険料水準の統一を目指しております本県といたしましては、各種保健サービスも重要であると考えておりまして、国保の保健事業の標準化について、市町や関係機関との検討を進めたいと思っております。
- 118:◯要望・質疑(三好委員) 影響が今のところはさほどないというところの決定だと思うのですけれども、やはり私は、公費負担の制度や受診率の問題は医療費水準に反映するし、医療費水準もこれからどうなっていくのか分からないと思っています。そういった中で、今結論を出したということについては、やはり責任があると思っていますので、その責任をしっかりと全うしていただきたいと思っています。
先ほど、国のペナルティー制度のことを言われましたけれども、その率も果たして本当にそれでいいのか、誰も分からないのではないかと私は思っています。それよりは、感覚的にみんなが平等だというものをつくっていくことが非常に大切だし、実際にそのサービスで医療費水準にも影響してくると思っていますので、やはりどこまでも統一を目指していくということを、私は要望させていただきたいと思っています。ぜひともお願いします。
次に、収納率でありますけれども、財政基盤の弱い国民健康保険制度をしっかりと維持していくためには、何といっても、収納率をいかに上げていくかということが大切であります。この収納率を考える際、県全体の収納率という点と、さらには市町ごとの収納率の差という二つの面から考えていく必要がありますので、バランスのよい誘導が必要となってきます。
我が県の県内市町全体の収納率の都道府県順位は、平成26年39位、平成27年37位と、残念なことに低位にとどまっています。また、市町ごとの収納率の差は、単位化が始まった年の数字でありますけれども、1番よかった98.9%から悪かった88.5%と、10%以上もの開きがあります。
県で準統一保険料を設定するに当たっては、各市町の保険収納率を反映させることとされていますけれども、その方法は、国の示す方向に沿って、単に平均収納率で割り戻しで保険料を設定する。つまり、もともとの徴収金額を多くして、収納率が悪くても必要な財源を確保するというものだと私は認識しています。これは、見せしめ効果はあるものの、一方で正直者が報われない制度とも言えますので、もしも一部の市町に足を引っ張られ続けてばかばかしいという思いが蔓延すると、全体が緩んで取り留めがつかなくなる危険性もあると思っています。そうならないよう県独自の戦略を立てて、早い段階で各市町の収納率を同レベルにしていくことが強く求められると思っています。
そこで、県単位化が始まったことによって、県全体としての収納率はどのように改善されたのか、また、各市町の収納率の差はどのようになっているのかお示しいただいた上で、統一保険料の実現に向けた収納率の向上、各市町の収納率の差の解消に向けて、今後いかに取り組んでいくのか、お伺いいたします。
- 119:◯答弁(健康福祉局長) 本県では、市町との合意により保険料水準の統一を目指すこととしており、各市町の保険料収納率の向上、そして収納率の市町間格差の縮小、均一化に向けて取り組んでおります。県単位化以降、国民健康保険運営方針に掲げた重要な取組の一つとして、保険料納付方法の口座振替を促進した結果、県全体の収納率は平成27年度の91.3%から、令和元年度の速報値では94.3%まで上昇するとともに、市町間の格差は10ポイントから6ポイントまで縮小しております。
統一保険料の実現に向けましては、収納率が高水準で均一化されることが重要であり、保険料の収納体制の見直しなどにより、収納率が大きく改善した市町の取組の共有でありますとか、県と市町等で構成する国民健康保険連携会議における保険料率の推移の共有など、引き続き市町と県とで連携して収納対策に取り組んでまいりたいと考えております。
- 120:◯要望(三好委員) 見える化していくことで底上げ効果もあるのだろうと思っていますけれども、保守的に見積もってしっかりと対策をしていただきたいと思いますし、また、統一化に向けてはほぼ同じになることが前提だということになっていますが、ほぼ同じというのもどれぐらいの差かはまだ示されていないので、そんなこともしっかり早めに示してもらって、目標を持てるようにしていただきたいと思います。
最後に、保健事業のことを申し上げようと思ったのですが、時間がないので要望にしたいと思います。
特定健康診査等の保健事業も大変重要だと思っていますけれども、先ほど言いましたように、医療費水準が保険料に反映されないということになると、言い方は悪いのですが、病気にならないための個人の努力があまりそこに反映されないことになるので、結果としてそういった部分への取組が後回しになるのではないかということも随分危惧しています。これは大切なところでありますので、ぜひともしっかり取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
県単位化というのは、県がだしになって市町が改革をしやすくするというのが、私は本音だと思っています。しっかり厳しいこともこれから一緒につくらせてもらいたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
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